最初に、安保改正法を通すことは反対という立場を明確にしておきたいと思います。
安保法案について、よく理解しないうちに「賛成・反対」に関する記事やニュースを読む、デモに参加する、ブログに書くなどはしないほうがよいと思います。まず知って、それから意見を持つのが正しい順序です。安保法案をよく理解していないなと感じる人は、違う立場の人たちのあらゆる記事を読む必要があります。大事なことです。
今の憲法が出来てからまだ100年も経っていませんが、まず集団的自衛権の解釈が制定時から徐々に変わってきているという事実があることを知らなければなりません。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/07/15/japan-security-bills_n_7313158.html
今回の安保法案はその流れの中にあるもので、突然現れたものではないということについて知っておく必要があります。それぞれが正しいかどうかは別として、各時代の世界情勢に対応するために憲法そのものを変えるのではなく、解釈を変えてきたという歴史になります。
そして今回も憲法を変えるのは難しそうだけど、さすがに法律が必要ということになったと。
その目的が「世界情勢に対応するため」ということになるわけですが、その世界情勢がなんなのかということについて政府が国民に説明することが非常に難しい状況があるのだと思います。このことが安保法案がなんだか掴めない理由だと思います。
身近な話ではないので、うまい例が見つかりませんが、例えば人質事件を秘密裏に解決するのと同じような、目的の達成に秘密が必要なケースに当たるというわけです。
対象の世界情勢がなんなのか、一つの解釈としてこちらの記事が参考になりました。
http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=21211
政府が把握している世界情勢を知らないものにとって、安保法案が正しいのかどうか判断すること自体が到底無理なことです。政府側からすれば「だから国民は理解できないんだ」ということになります。国民としては結局のところ政治家の方々にそのときそのときでお任せしなければならない場面が出てくることも現実としてあると思います。
初めに政治家への信頼を表明するのが選挙だとすれば、最後に政治家への信頼となるのは憲法です。
現在政府がとっている強硬手段ともいえるやり方は、現状の政治への不信を踏まえた上で、目的を達成するための善意の行動であると信頼しています。また、安保法案はなんらかの差し迫った世界情勢に対応するために必要なんだと思っています。
ですから安保法案が通らないことによるなんからの不利益を一国民として受け入れた上でという話になりますが、それでも最後に政治家への信頼となるのが憲法である以上、その解釈を変更する法律など存在するはずがありません。このような法律が成り立つのかどうか。これは司法で判断されるべき案件だと思います。実際に裁判を起こす動きもあるようです。仮に司法で違憲と判断されれば、結局立法とはならず、現政府のみならず国民に政治への不信だけを残す結界になります。