漫画やアニメなどは”教材としてもすばらしいもの”がありますが、アンパンマンは侮れません。
アンパンマンをよく知らない人にちょっと知ってほしいことがあります。
アンパンマンは子供が理解しやすい単純なキャラクターやストーリーが軸になっていて、夢や希望や正義を示してくれます。でもアンパンマンには次のようなキャラクターがいます。
複雑なキャラクター1:ロールパンナちゃん
アンパンマンの妹分のメロンパンナのお姉ちゃんです。ジャムおじさんによって作られましたがその際にバイキンマンに悪いエキスを入れられて「よい心」と「悪い心」を持ってしまいました。
そのため一緒には住めず、離れたところで一人孤独に暮らしています。
複雑なキャラクター2:ちびオオカミくんとゴミラ
詳しい事情は省きますが、どちらも自分の意思に反して巨大化・凶暴化してしまう。そのことを恥じて悔いるちびオオカミくんやゴミラに対してアンパンマンたちはどう接するかを教えてくれる。
正義が曖昧に設定されているのがアンパンマンなのです。
幼稚園から小学校低学年ぐらいでは、男の子だと戦隊モノ、女の子だとプリキュア。分かりやすい「善と悪」を表現したコンテンツが好まれます。
それらを利用した大人たちの「商業主義」は嫌悪感を抱くほどに節操がなくなりました。
アンパンマンのグッズは確かに高いなーとは思います。
それでもアンパンマンのキャラクターやストーリーの作り方には、それを作る大人の分別や願いが込められているように感じるのです。
ここでやなせたかしさんの言葉をすこし紹介します。
正義のための戦いなんてどこにもないのだ。正義は或る日突然逆転する。正義は信じがたい
それを前提としてこのような言葉も残しています。
困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、立場が変わっても国が違っても「正しいこと」には変わりません。絶対的な正義なのです