復興の状況に言及すること

「美味しんぼ」の内容について波紋が広がっています。

私自身、復興の状況について現場を確かめていないのでよくわかりませんが、仮にそれらを確かめに行ったとしても何かを公共に対し発言するということは極めて難しいのだと思います。

その難しさは

  1. 個人の見解である限り多かれ少なかれ事実と異なるということ
  2. 発言に影響力があればあるほどその「ズレ」の影響も大きくなるということ

にあります。

ポジティブな内容の「ズレ」であれば、市民に事実と異なる安心感を与えてしまいます。
ネガティブな内容の「ズレ」であれば、風評被害や差別を生むきっかけとなる恐れがあります。

情報があふれる中で市民はメディアが発信する内容を鵜呑みにせず、自身でそれを疑い、消化する能力が必要な時代です。
そのような発達した情報の受け取り方を市民に期待するべきだし、教育もそうしていく必要があるし、マスコミもそれを前提に話してほしい。

つまり現実との「ズレ」を各個人で消化しなくてはならない時代だということです。

一人の漫画家が発言したことに対し批判するという現象がおこるのは「個人に大きな影響を与えうる」からです。仮に国民の情報を受け取るスキルがもっと高ければ影響は小さくなります。また発言もしやすくなります。

発言そのものに批判ばかりするのではなく、自身の意見を述べてほしい。
市民が意見を総合して判断する機会をマスコミが作れるように、私たち自身が「何が正しくて何が間違っているのか」を判断できる能力を持たなくてはならないと思います。

多少理想論であることは承知していますが、市民がその能力を放棄するということはプロパガンダや洗脳に翻弄されることを容認することを意味します。
また表現の自由という権利を放棄することにもなります。

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